岩崎努 展
会期|2024年2⽉24⽇(土) - 3⽉30⽇(土)
時間|13:00 – 17:00
休廊|日・月・火・祝 (ただし2月25日(日)は特別開廊します)
会場|105MaGALLERY (福岡県北九州市小倉北区室町 2-9-1小倉D.C.タワー105)
⼊場|無料
- オープニング・レセプション
2⽉24⽇(土)
13:00 - 18:00 オープニングレセプション
15:00 - 16:00 トークイベント 岩崎努×秋元雄史(美術評論家)
嘉来 / 2020
美術家・柳幸典のディレクション最終回で、超絶技巧の木彫家「岩崎努」展を2⽉24⽇(土)から3⽉30⽇(土)まで開催します。
岩崎は1972年富山県生まれ。欄間彫刻で知られる富山伝統の井波彫刻師を父に持ち、ごく自然に彫刻の道へ進みます。1995年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業して、ガラスとステンレスの彫刻家・多田美波の元に2年間弟子入り。その後、井波に戻り父の下で修行を積んで8年、さらに表現を追求することを目指し独立し、工房を富山市東岩瀬に移して「木彫岩崎」を開業。伝統の彫刻技法を守りながら写実的に創り上げられる一木(いちぼく)造りの作品は、国内外で高い評価を受けています。本展では、自身の想像によって〈本物を超える本物らしさ〉に迫る「嘉来(かき)」、「さくらんぼ」、「花菖蒲」、そして写真もなく実物を見ることのできない歴史上の偉人や架空のモチーフを絵や文献などの背景から探って鮮明に掘り上げる人物像のシリーズより菅原道真の彫刻「天神様(菅公像)」を公開します。
さくらんぼ / 2023
花菖蒲/ 2012
本展について
長い歴史の中で連綿と受け継がれてきた日本の伝統工芸は、近年、その精緻極まりない技を施された作品が「超絶技巧」として注目され、現代作家による写実表現の追求と挑戦が美術館の企画展でも取り上げられています。その創造性は、日本古来の美の追求により育まれた技術の結晶であると同時に、似た静物や近いテーマを扱う作家が多い中で問われる「作家性とは何か」という課題に直面します。岩崎も作品の題材に柿、さくらんぼ、葡萄などの果物、花、鶏、歴史上の人物や龍、鬼など、日本美術の典型的なモチーフを扱いますが、すべて模造ではなく岩崎の想像力で描かれた空想の写実彫刻です。高村光雲など明治期の作家の力量に挑み、写実に内在する自身のアイデンティティを探究する岩崎の姿勢を木彫から読み取っていくことは、急速なテクノロジーの発展が写実造形の意義を問う時代を前に、現代工芸の未来とその可能性の発見に繋がっていくでしょう。
天神様(菅公像) / 2014
岩崎努(いわさき・つとむ
1972 富山県南砺市井波生まれ
1995 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業
1996 彫刻家の多田美波に師事
1998 井波彫刻師の父に師事
2002 第41回日本伝統工芸富山展 日本工芸会賞(最優秀賞)受賞
2003 全国木彫刻コンクール井波(財)伝統工芸品産業復興協会長賞(第3席)受賞
2007 全国木彫刻コンクール井波 富山県知事賞(最優秀賞)受賞
2008 富山市東岩瀬「木彫岩崎」を開業
2010 個展「「日本の昔ばなし」木による造形」酉福ギャラリー/青山
2019 清水三年坂美術館へ作品収蔵
2023 超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA(岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅠ、長野県立美術館、あべのハルカス美術館/大阪、三井記念美術館/東京、富山県水墨美術館)